生産者の想い - 001

  • VOICE1

    松下 壮一郎さん / ヤマニ製茶

    「日本一美味しいお茶」という自信を持って栽培しています。

今回は、chittöのパートナーである、ヤマニ製茶の松下荘一郎さんに”生産者の想い”を伺ってみました。

ーまず、お茶の生産を始めたきっかけを教えてください。

私は大学卒業後、他の仕事をしており日本各地を転々としていました。各地で社会経験を積んだ後、製茶機械の販売・メンテナンスの会社を経営していた家業を継ぐため、静岡に帰ってきました。

生まれも育ちも静岡であったため、お茶畑はいつも目にする風景としてありましたが、久しぶりに故郷に帰ってくると、お茶畑の形に違和感がありました。記憶の中の茶畑はかまぼこ状の形をしていたような認識でしたが、見渡す限り、平らな茶畑ばかり。後々に知ることとなりましたが、これもお茶の葉を刈る効率を求めた結果であったのです。

お茶業界に就職した友人や知人からは、「昔からお茶の売上は波みたいに悪いときもあれば良いときもあるから。」と聞いていましたが、毎年昨対比5%減、10%減…とじわじわと経営は厳しくなっていきました。また、近所には茶畑を手放すおじいちゃん(高齢の方)が増え始めてきました。中には97歳まで農家をされている方もいたのですが、それに対して、先祖代々継承してきた茶畑を手放してしまうのは、何か寂しい想いを感じていました。

地元を離れて、故郷の良さを改めて感じていた私は、「自分がやるしかない!」と使命感を感じ、その茶畑を受け継ぎ、20代後半の2006年にお茶生産を開始しました。そして、いろいろな方々の想いを継承していくうちに、自分たちの茶畑はどんどん増えていき、今では170ヘクタール(東京ドーム約36個分)の作付面積となり、年間生産量は100tともなったんです。

ーこの頃から、無意識のうちにお茶業界へのSDGsを意識されていた松下さん。多くの方々の想いを継承しながらお茶生産をする上で、大変であると感じられることもあるんではないでしょうか?

農業全般に言えることではあるんですが、一番大変なことは天候不順です。災害級の台風が来れば、大事に育ててきた茶葉がダメになってしまうこともあります。お茶は水分量や日照時間、気温など様々な要素から、味を生成しているため、毎年違った味で我々を試してくるんです。一度たりとも、同じ茶葉が生産されたことはありません。また、お茶は摘んだらすぐ製品になるわけではなく、消費者の皆さんが手にする形になるまで様々な工程を経ています。同じ茶葉(生葉)を使っても、製法の違いで全く異なる味となります。

意外かもしれませんが、煎茶と和紅茶では同じ茶葉(生葉)を使っており、製法の違いで味の違いを出しているんです。そんな中でも、私たちは毎年最高品質のお茶を仕上げられるよう、努力をしています。大変なこともありますが、最高品質のお茶を仕上げられた時は、やっぱりやりがいを感じますね!

ーありがとうございます。最後に、お茶を楽しむお客様へメッセージをお願いします。

皆さんのライフスタイルに合わせて、お茶を淹れたり飲むこんを楽しんでくれたら嬉しいやぁ!

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